國學院大學に学ぶオウンドメディアのPVを3倍にする方法

2019年5月8日
加藤美和
導入事例

こんにちは! アカウントプランナーの加藤です!

2015年ごろから多くの企業や大学がオウンドメディアを持ち、情報発信やユーザーとのコミュニケーションに活用するようになりました。各社、さまざまな施策でメディアの成長に尽力しているかと思います。

オウンドメディアの育成にあたり、ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」を活用した施策でPVを3倍に成長させた國學院大學様に事例を交えてご紹介いたします。

今回は、導入当初から最近までご担当いただいた萩 慎太郎さんに、弊社の浜中とともにインタビューしてみました!

加藤 美和 Kato Miwa
マーケティング・ソリューション部
アカウントプランニンググループ
なんでも気の持ちようで解決できると思っている精神パワープレイタイプ。
とりあえず楽しんでトライしてみる明るいポジティブマン、サービス精神は大盛り
萩 慎太郎 Hagi Shintaro
國學院大學 総合企画部 広報課 課長補佐

加藤:
「萩さん、インタビューをお受けいただき、ありがとうございます!!今日はよろしくお願いいたします!
それではまず、簡単に経歴と業務内容についてお教えいただけますでしょうか?」

萩 慎太郎さん(以下、萩):
「よろしくお願いいたします!
國學院大學への入職は1999年。情報センターに3年間半、入学課で広報9年半。そのあと現在の広報課へ異動して7年になります。現在はオウンドメディアを離れてペイドメディア系のものを多くやっています。」

加藤:
「もう大学職員になって20年、ベテランですね!!
國學院大學についても簡単に紹介いただけますでしょうか?」

萩:
「國學院大學は日本でも最も古い大学のひとつです。
母体である皇典講究所が設立されたのは1882(明治15)年。現在は文学部・神道文化学部・法学部・経済学部・人間開発学部と、5つある学部のすべてが文系の総合大学です。直近の取り組みとしては、日本文化を逆説的に取り組むグローバル展開をしています。」

加藤:
「海外へ日本文化を輸出している! たしかに日本文化ってユニークだから需要あるかも……」

大学のブランディング戦略からオウンドメディア開設へ

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加藤:
「弊社サービスを知ったきっかけは何でしょうか?」

萩:
「事の発端は、大学ブランディングの一環で國學院大學でもオウンドメディアを始めたことでした。その時期は、企業では当たり前になってきていましたが、大学ではあまりオウンドの展開が一般的ではない時期。

初年度は正直、自然流入(オーガニック)待ちだったので、あまりトラフィックがない状態でした。そんな中、広告代理店経由でネイティブアドについてのお誘いをいっぱい頂いていて、自然流入を待っていても仕方ない。 ということで、さまざまな会社の中から比較検討するために、ログリーさんへ問合せしたことがきっかけです。」

加藤:
「最初は國學院大學さん側からお問合せいただいていたんですね!
ブランディングを意識していく上でなぜオウンドメディアだったのでしょうか?」

萩:
「色々な展開がありましたねー。 紙媒体から波系の媒体までを検討して実際に試したものもありました。キュレーションが流行った時期でもあったので、ネイティブアドとどっちをやるかという議論もありましたね。

当時は、我々も含め大学業界はオウンドメディアの意味が曖昧で、コンテンツをみると『本学では2018年問題を見据え、●●や▲▲などの改革を強力に進め、私たちは未来に向かって創造し、〇?×$@・・・・』と、『これってオウンドなの?』と言うのが当時の我々の実感でした。お仕着せの広報ではなく、國學院に興味を持っていない人にも本学の取り組みに興味を持っていただけるような広報展開をしていかなくてはいけないと考えオウンドメディアにチャレンジすることになりました。」

浜中:
「さまざまな企業からお話を伺っていたかと思いますが、そこで「LOGLY lift」導入に至った経緯や、社内でどのような比較検討をしたか、お教えいただけますでしょうか?」

萩:
「何と言っても吉永社長の存在ですかね!?(笑)
私たちが話を聞きたいと連絡した後、すぐにご説明に来ていただきました。しかも社長ご本人じゃないですか!「大学なのに面白いことを始めようとしているなと興味が沸いて、営業を押しのけて来てしまいました」と、吉永社長が無邪気に笑うんですよ!それと、社長が『貴学オウンドメディアのゴールは、オーガニックの流入だけで運営ができるようになることです』と言い切ったところですかね。

ネイティブアドを売る社長自ら、クライアントのために、ネイティブアドに頼らないで済む方法を真剣に考えている姿に感動しました。この人たちとなら一緒に仕事ができると。」

名医と呼ばれる医師はなぜ名医なのか?

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加藤:
「課題感を細かくヒヤリングする吉永の営業マインドは、私たちにも受け継がれていると思います。
どういったところが決め手だったのでしょうか?」

萩:
「今の広告・PRの世界はすごく複雑になってしまっているので、我々だと理解できない部分がすごくあるんです。それぞれの分野で専門的な知識を持っていて、その人がちゃんと我々にサジェストしてくれる企業さんじゃないと不安が残る。

でも、そういう協力会社さんに巡り会うのも難しい。ご提案をいただいても『媒体資料見てください。ほら、こんなに効果があります』的な、何やら占い師と話しているような錯覚に陥ることも多々ありました。本当に信じてよいのか?と思ってしまいます。

そのような状況の中で、競合する他社さんも、システムの強みや配信可能媒体、PV保証や単価のお話に終始することが多い。でも、ログリ―さんは、我々の課題感をきめ細かくヒヤリングしてくれたんです。

お恥ずかしい話ですが、我々は課題の方向性は何となく見えているのですが、それを深堀しようとすると途端にわからなくなる。『お腹が痛いけど、お腹のどの部分が痛いのか?どのように痛むのか?』が分からない小さなお子さんと一緒ですね。そこをログリ―のアナリストの方々はひとつひとつ聞き出し、課題の源泉を探り当てる。しかも、それを私たちに丁寧に解説してくださるんです。これって、皆が信頼する町の名医と同じですよね。」

浜中:
「お褒めいただきありがとうございます。
たとえ同じ予算、同じ手法を使っていたとしても、クライアントにご納得いただいているのといないのとでは、結果は驚くほど違ってきます。データは重要な武器ではありますが、最終的に動かすのは人です。そういう意味では、医師と患者との関係にも通ずるものがあるのかもしれませんね。“体を治す一番の薬は患者さん本人の気持ち”って言いますよね!! 自分を褒めているようで、ちょっと恥ずかしいのですが……」

PV/UUが約3倍にまで成長した理由

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浜中:
「國學院さんとはオウンドメディア開設初期から現在まで長らくお取組みさせていただいていますが、当時のPV/UU数と比べて大幅に成長していますよね。どういった施策を行っていたのでしょうか?」

萩:
「ターゲットの設定も重要なのですが、実は真っ先に始めたのは、“國學院がもっているアセットは何なのか”ということでした。我々教職員は、日々大学の中にいるので、意外と自分自身が見えていなかったりします。私たちが「大したことの無いもの」と思っていることも、実は世の中的には“ダイヤの原石”だったりします。」

浜中:
「そうですよね。本当に初期だからこそ、詳細なターゲット設定とアセットの掘り起こしの両輪が必要ですよね。
当初から明確なKPIを立てていたのでしょうか?」

萩:
「はい、確かに初年度からKPIを立てていました。しかし、当初見えていなかったターゲットやアセットが見えるにつれ、当初のKPIが劣化したのも事実です。その際は、ログリーさんと一緒に再訪率はどうなんだとか、回遊率をどうとらえるのかとか、年度途中であってもKPIの再設計したことを覚えています。

その中でも最も思い出深かったのが、『畑』の話でした。LOGLY liftを使っていくと確かに右肩上がりで数字が伸びていったんです。でも、ある日を境目に限界を迎えるだろうってログリ―さんに宣告されました(笑)

じゃあどうするのか? 最後に残るのはコンテンツとターゲットの関係性だろうと。 コンテンツのライフサイクルや未知のターゲットなどの話になったのですが、話が複雑すぎてなかなか意思疎通を図れない。重苦しい雰囲気の中で誰かが畑に例えて話をして一気に突破口を見出しました。」

浜中:
「私もその時のことはよく覚えています。ここに種を撒いて刈り取って、すぐに種を撒いて、でも畑はいつか枯れた土地になるよねって。 農薬を撒いてもいつかは耐性のある害虫みたいのが出てきて、そうなると作物は育たないし。違った場所に第二農場を作るのか?休耕田のようなものを作ってローテーションするのか? そんな話を真剣にしましたね」

萩:
「同時に、記事の特徴の話もありましたね。瞬間的にPVやUUを稼ぐ記事は一般的には優秀であると思われがちですが、アップしたコンテンツを見ていると、そうとも言い切れない。目立たないけど長いこと読み続けられる記事もある。どちらも正解なのかなと思いました。次第に記事の内容だったり、数値のクセだったり、そちらに興味がシフトしていきました。」

浜中:
「そうですね、コンテンツを増やすところから始めて、段々と記事の質的な評価に移っていったので、私も國學院のオウンドメディアが成長していく様を見ていて楽しくなっていきました。立ち上げ当初から比べて約3倍成長しているんですよね。つまり、LOGLY liftがなくてもある程度メディアとしての水準まで育ってきているということです。吉永が言っていたメディアとしての充実っていうのはそろそろ来ていると思います。
ただ、僕らの実力だけでなく、SNSで國學院さんが自力で拡散したところも大きく影響しています。」

萩:
「とはいえ、SNSといった手段を広げていくことで、戦略の中のターゲットが見えづらくなっている現状もあります。先ほどの話のように、最近では、PVやUUが稼げなくてもニッチなファンがいて長く読まれるだろうと想定して記事を起こしたりもします。しかし、予想に反して、爆発的な読まれ方をする記事になってしまうこともあります。書いたこちらは、それはそれは困惑するばかりです(笑)
今後は、そのような謎を解き明かしてみたいと思います。」

今後の取り組み

加藤:
「今後の取り組みとしてはどういったことをやっていきたいとお考えでしょうか?」

萩:
「先ほどの浜中さんのお話を聞くと、「LOGLY lift」卒業の日が近づいているのかと思い少々寂しくなりますが……冗談です(笑)

日に日に進化する我々のオウンドメディアを見ると、コンテンツを作るモチベーションは劇的に上がりました。今月のトップ記事は誰が書いた記事なのか? などとワイワイ話をすることも今は日常の風景となっています。あとは、記事をよく読んでくれる人ってどのような人たちなのかが気になります。それはデータ上の話ではなく、普段はどのような仕事をしていて、何に悩んでいて、どういう性格で、好きな食べ物は何なのか?身長は高いのか!?つまり、記事の向こうには生身の人がいるわけで、その方たちと記事を担当した教員が出会ったら面白いことになりそうでワクワクします。できるのかどうかわかりませんが、その方たちに直接会って、『どんな記事が読みたいですか?』とリクエストを聞いてみたいです。そのためには、まずは目の前にあるコンテンツ分析に力を入れたいと考えています。」

加藤:
「読者とのリアルイベントって楽しそう!Webでは取れない、実際に会うことで得られる反応は貴重な情報ですね。
弊社に求める課題はありますでしょうか?」

萩:
「課題というよりも、更にパワーアップしていただきたいものは、ログリーさんの強みである分析と、クライアントに寄り添う姿勢ですね。

どんなに優秀な分析会社であったとしても未来予測まではできないことがあります。過去→現在→未来まで一気に見通すことができる数少ない企業であると私は思っています。そして、結果のフィードバックも早いので、PDCAを高速で回転することができる。しかも、我々にはスーパードクターがついていますから、その安心感はこれからもクライアントに与え続けて欲しいです。」

加藤:
「弊社アナリストへのお褒めのお言葉と受け止めますね!
私のようなアカウントプランナーはどうですか??」

萩:
「……個性豊かなところかな??(笑)
でも、この業界の営業さんって実はものすごく立ち位置が難しいと思うんですよ。クライアントとアナリストを繋げるのが本来の仕事だと思いますが、軌道に乗ったら、ともすると『営業いらないじゃん」って思われてしまうこともあると思うんです。でも、日々の打ち合わせの中で先ほどの『畑』の話ではないですが、営業さんのひらめきで、障壁を突破する事ができたり、データだけでは測れない人の心理状態や行動特性などに話が向けば、人と会うことがプロの営業さんが真価を発揮したり。非常に助かっていますよ。それは、吉永社長からログリ―社員の方がマインドをちゃんと受け継がれている証だと思います。」

浜中:
「僕らとしても今までは代理店さん経由でのお付き合いが多かったんです。國學院さんは直でお取組みさせていただいたので、クライアントから課題感を直接聞けるよい機会をいただけました。
僕らの領域ではないところも踏み込んでやらせていただいた部分って、僕らにとっても経験値になりましたしチャレンジングだったところがありがたいです。
今後ともよろしくお願いいたします。」

萩さん!ありがとうございました!

著者紹介
加藤美和
加藤美和
ログリーのかとぱん/かとうぱん。 実は韓国とのハーフです。簿記2級の資格をもっています。 学生時代にバーで働いていたのでお酒も得意です。 飲みに行きましょう。ものまね披露します。