パブリッシャーからテクノロジーベンダーへ転身して創っていきたい世界 – 今後のメディアマネタイズについて –

2019年7月22日
榎並敬寛
導入事例

こんにちは! マーケティング・ソリューション部の榎並です。

これまで、過日開催したパブリッシャー向けログリー主催イベント ”NEURON” にご登壇いただいた皆様のインタビュー内容をお届けしてきました。
今回は、当イベントにてプレゼンターとしてもご登壇いただいた株式会社FLUX 平田様(以下、平田)にインタビューしました!

榎並 敬寛 Takahiro Enami
マーケティング・ソリューション部
週末のフットサルとサッカー観戦を生きがいにしているアラサー男子。
多数の著名人に似ていると言われいじられる日々。社内のムードメーカー的存在として活躍(?)しています。
平田 慎乃輔 Shinnoshuke Hirata
株式会社FLUX
取締役CPO アライアンス事業責任者

 

榎並:
「イベントではパネルディスカッションのモデレーター、プレゼンいただきありがとうございました!
カカクコム時代から大変お世話になってます。
まずはこれまでの経歴とご所属、業務内容についてお教えいただけますか?」     

平田:
「2015年4月株式会社カカクコムに新卒で入社しました。業務内容は主に純広告の配信枠の設計、アドネットワーク運用、営業同行など、設計〜入稿・配信〜運用〜レポーティングまで一元管理していました。他には自社プロダクトのプロダクトマネージャーや最新技術の導入なども担当しておりました。その後、2018年5月に株式会社FLUXを創業しました。創業当初から、メディアの広告担当が限られた工数の中で、より優れた広告運用を手助けするプロダクトをつくりたいと考えていました。」

榎並:
「業務範囲は多岐にわたっていたのですね。確かにメディアの広告ご担当の方は、リソースが限られた中で幅広い業務をされているイメージがあります。」

平田:
「まさにそうなんです。なので、メディアが高度な広告設計を作り、RTBやPMPなどをより深く理解して知ってもらいたいという想いがあるのですが、まずは一歩目として、現在はヘッダービディング(※)の運用サポートをしています。具体的にはメディア運営担当者様に向けて、ヘッダービディングの説明から、RTBの仕組み、運用方法についてお話しております。」

(※)ヘッダービディングとは「ヘッダー入札」とも呼ばれ、全ての広告プラットフォームに、公平に入札機会を与え、最も高い価格で入札された広告を優先配信する仕組みです。

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 パブリッシャー時代に感じていたこと

桐本:
「パブリッシャーからテクノロジーベンダーへ、会社立ち上げに至ったキッカケは何でしょうか?」

平田:
「パブリッシャー間での共通規格が存在しないため、ノウハウの共有が各パブリッシャーの社内のみに留まっているのではないかと感じていました。
もちろん媒体社間で繋がって勉強会などをやってはいたものの、企業間での情報共有は難しく、知の共有ができる環境を創っていきたいという想いがありました。」

桐本:
「対パブリッシャー営業側から見てもそのような課題があるのかなということを感じていました… そのこともあり、NEURONのようなパブリッシャーの広告担当者オンリーのイベント開催を行ったのです。」

平田:
「NEURONのようなイベントはありそうでないので、とてもいいと思います!
第1回目のNEURON登壇時に、メディアアライアンスをやっていきたいとお話ししたことがあるのですが、実はそういった経緯があります。」

桐本:
「そうだったのですね!」

平田:
「当時具体的に感じていたことは、PMPの単価設定やデータの開示範囲、そこに至る手法がバラバラになっていて、広告出稿側からしても統一感があまりないことで、よりプログラマティック化が難しくなっているのではないかと感じていました。

私自身が機械にお任せできる運用を作っていくことで、パブリッシャーさんには自社でしかできない・売れないプロダクトの品質向上に力を注ぐことができるのではないかと。アドバイスも含め、一緒に業界の発展に貢献したいと思い、今に至ります。」

桐本:
「最適解と言えるものがなかなか見つかりにくく、担当者の方は苦戦する部分も多くあるかと思うので、アドバイスできる方がいるというのは非常に心強いですね!」

平田:
「そう思ってもらえるとうれしいです。どうやったらプロダクトの品質向上ができそうか、手法なども一緒に考え、取り組んでいけたらと思います。」

テクノロジーベンダーとなった今

榎並:
「ヘッダービデイング運用サポートをされているとのことですが、具体的にはどのようなことですか?」

平田:
「具体的な数値を出すことはできないのですが、ある媒体さんでアドネットワーク広告運用の自動化を進めたらCPM単価が倍以上になりました。」

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榎並:
「倍以上ですか!?すごいですね!」

平田:
「まだ機械学習など完全に自動化できていない部分もありますが、運用工数の削減ができた分、パブリッシャーにはこの先、より純広告やPMP、商品設計、営業も含めてそちらに時間を割いていていただければと思います。またレコメンドでどういった記事を出せばユーザーが回遊してくれるのかなど、広告マネタイズ以外の面とも向き合える時間を増やせるようにサポートしていきたいです。レコメンド領域についてであればログリーのサービスを利用したらどんなことが実現可能かなどもその中でお伝えできればと(笑)。」

榎並:
「ぜひお願いします!広告マネタイズ面ももちろん、パブリッシャーにとって価値のある機能・サービスを提供し続けていきたいですが、メディアさんが抱えている課題に一緒になって向き合い解決できるようお力になれればと思います。」

平田:
「我々としてはパブリッシャーのアドネットワーク広告運用を自動化し、収益を今以上維持できるようにした上で、より面白いサービス開発ができたら、現状のサービスに機能搭載して保守管理・バージョンアップに徹するよう尽力していきます。」

これから創っていきたい世界

桐本:
「今後思い描いている構想などありますでしょうか?」

平田:
「ヘッダービディングやその他プロダクトを通じて、共通企画を創ったり、PMPのサポート、日本ではJ-PADさんとか、海外ではPangaeaやSkylineのようなアライアンスなど、FLUXで手伝えることがあれば是非やっていきたいです。」

榎並:
「弊社もサービス提供のみに留まらず、パブリッシャーやFLUXさんと共創で新しいプロダクトやサービスを開発していけたら良いなと思います。」

榎並&桐本:
「平田さん、ありがとうございました! 今後ともよろしくお願いします!」

著者紹介
榎並敬寛
榎並敬寛
前職では男女比女性9割のPR代理店にて、ホスピタリティとは何ぞやをお姉様方から学ぶ。 個性豊かなメンバーが集うマーケティング・ソリューション部の副部長をしています。