インフィードのネイティブ広告とは?
今回も前回に引き続き、IAB(米ネット広告業界団体)で発表された「THE NATIVE ADVERTISEMENT PLAYBOOK」の続きをご紹介します。
前回は、ネイティブ広告を識別するためのフレームワークを取り上げ、検索連動とプロモートリスティングをそのフレームワークに当てはめて説明しました。今回は「インフィード」と呼ばれる表示形式について紹介したいと思います。
インフィードとは?
インフィードというのは「フィード内」を意味し、Webサイトの新着情報やページ一覧などを掲載する枠内に設置される広告枠になります。Webサイトの主要コンテンツへの誘導枠と同じ枠内に位置することがポイントで、媒体の持つ機能を受け継ぎます。また、IABによれば、インフィードは最も多くのバリエーションを持つタイプといわれています。
今回はプレイブックで紹介されている3種類について、前回のフレームワークに照らし合わせて、見てみたいと思います。
編集系インフィード
1つ目は、主に編集系の媒体が扱っているネイティブ広告になります。
An endemic in-feed ad that is in a publisher’s normal content well, is in story form where the content has been written by or in partnership with the publisher’s team to match the surrounding stories, links to a page within the site like any editorial story, has been sold with a guaranteed placement so the buyer knows exactly what context will surround it, and is measured on brand metrics such as interaction and brand lift will fit into this framework as follows
FORM
媒体の通常のコンテンツ枠に表示されるFUNCTION
媒体編集チームといっしょに周囲のコンテンツに合わせたストーリー形式とするINTEGRATION
ほかのコンテンツと同様、サイト内に遷移するBUYING & TARGETING
あらかじめ決められた枠に表示されるため、周囲のコンテンツがどんなものなのかを把握できるMEASUREMENT
ブランドリフトなどのブランディングを主体とするDISCLOSURE
(後ほど、まとめて説明します)
インフィードを商品化しているプレイヤーとしては「BuzzFeed」「Gawker」「Forbes BrandVoice」「Mashable」など、編集主体の媒体が挙げられます。媒体側が純広告として販売し、広告主や代理店といっしょに編集記事を作り込んでいます。
ソーシャル系インフィード
2つ目は、同じインフィードでも「Facebook」「LinkedIn」などの編集主体でないソーシャルメディアになります。
A linked in-feed ad that is in a publisher’s normal content well; is a promotional ad; links off of the site to content, editorial content, or brand’s landing page; has been sold with a guaranteed placement; and is measured by CTR and conversions maps out in this way
FORM
媒体の通常のコンテンツ枠に表示されるFUNCTION
プロモーション用の広告INTEGRATION
サイト外の編集記事や製品のランディングページなどに遷移BUYING & TARGETING
あらかじめ決められた枠に表示されるMEASUREMENT
CTRやコンバージョンなどで評価するDISCLOSURE
(後ほど、まとめて説明します)
この種類のプレイヤーとしては「YouTube」「Facebook」「Yahoo!」「Sharethrough」「LinkedIn」などがあり、編集主体ではないサイト(プロモーションとしての利用も可能)というのが特徴的です。
リッチ系インフィード
3つ目は(1つ目と似ていますが)、動画など、その広告枠内でコンテンツが完結している枠と思っていただければわかりやすいかもしれません。
An in-feed ad that is in a publisher’s normal content well; is in story form to match the surrounding stories and allows for an individual to play, read, view, or watch without leaving to a separate page; has been sold in a broad section (e.g., sports) and not a guaranteed placement (e.g. NFL Highlights page); and is measured on brand metrics such as interaction and brand lift will fit into this framework as follows
FORM
周囲のコンテンツにマッチしたストーリー形式で表示されるFUNCTION
見たり読んだりすることができるINTEGRATION
個別のページ遷移は発生しないことが多いBUYING & TARGETING
特定の場所ではないが、カテゴリページなどのブランド枠に表示されるMEASUREMENT
ブランドリフトなどのブランディングを主体とするDISCLOSURE
(後ほど、まとめて説明します)
この種類のプレイヤーとしては「Facebook」「Twitter」「YouTube」「Instagram」「Sharethrough」などが挙げられます。
インフィードは、媒体のコンテンツに完全に統合されるため、ディスクローズをきちんとわかるようにしておかないと、ユーザーを騙して(釣って)しまいます。
ディスクロージャーの書き方は、媒体により、
- “広告”や“AD”
- “Promoted”や”Promoted by [ブランド名]”
- “Sponsored”や”Sponsored by [ブランド名]”、”Sponsored Content”
- “Presented by [ブランド名]”と”Featured Partner”の組み合わせ
- “Suggested Post”と”Sponsored”の組み合わせ
さまざまに表記されています。
下記に「BuzzFeed」と「Yahoo!」の事例を掲載します。BuzzFeedは、通常の編集記事と区別がつくように、枠全体が黄色い背景となっていて、“PRESENTED BY”と“FEATURED PARTNER”の組み合わせで、ディスクローズされています。
また、Yahoo! は「Yahoo Stream Ads」という商品で、yahoo.comトップの「All Stories」に表示しています。
最後に一言
今回は、インフィードのネイティブ広告について紹介いたしました。検索連動やプロモートリスティングと異なり、まだあまり見かけない広告スタイルだと思います。
しかしながら、媒体のデザイン・機能と統合されている感じが、十分に伝わるタイプではないかと思います。また、インフィードタイプのネイティブ広告はこれからも増えていくと予想され、編集主体の媒体では主流になっていくのではないでしょうか。
次回は、プレイブックの続きで「レコメンド」タイプのネイティブ広告をご紹介します。