コンテンツを掘り起こすレコメンド型ネイティブ広告

2014年7月10日
吉永浩和
マーケティング

ネイティブ広告界隈で、いろいろな動きが出てきています。本ブログで取り上げてきた「THE NATIVE ADVERTISEMENT PLAYBOOK」についても、ブログやSNSなどで言及される方々が増えてきました。前回から少し間があいてしまいましたが、今回は「レコメンドタイプ」のネイティブ広告について紹介します。

 

レコメンド型ネイティブ広告とは? 

ニュースサイトなどの編集記事を中心としたWebサイトには、「この記事を読んだ人におすすめの記事」「関連記事」といった枠が用意されるケースが多くあります。レコメンドタイプのネイティブ広告は、この枠に関連コンテンツの1つとして表示される形式の広告を指します。

当社でも、インフィードタイプに加え、レコメンドタイプのネイティブ広告を提供しています。もともと商用ニュースサイトにレコメンドエンジンを提供してきた当社では、同じ仕組みを利用することで、関連する広告をレコメンド表示・提供できるのでは? と考えていました。

しかし、実際にはコンテンツと広告には大きなギャップが存在し、関連する情報として広告をそのまま推奨するには、あまり向いていませんでした。

最近になって、「コンテンツマーケティング」「インバウンドマーケティング」という言葉でマーケティングが語られることが多くなってきています。コンテンツをマーケティングに生かそうという流れで、遷移先ページにコンテンツを用意するケースが増えてきました。

遷移先ページにコンテンツが作成されるようになると、広告を推奨するロジックの1つとしてレコメンドエンジン(マッチング)の技術が応用できます。このことから、コンテンツを作成しようというマーケティングの考え方は、レコメンド型のネイティブ広告を後押ししている、とも言えるでしょう。

 

レコメンド型ネイティブ広告の定義

それでは、プレイブックを見ていきましょう。まずレコメンドタイプの定義は、 

Recommendation widgets are a form of native advertising where an ad or paid content link is delivered via a “widget.”

 

→「レコメンド枠は、ウィジェットを介して広告やペイドコンテンツを配信するネイティブ広告」

とあります。レコメンド枠に表示することがポイントで、通常メイン枠に存在するレコメンド枠は、ユーザーの目に止まりやすい位置に配置されています。 

次に、フレームワークに当てはめて見てみます。

image 

A common recommendation widget unit is integrated into the main well of the page, does not mimic the appearance of the editorial content feed, links to a page off the site, has not been sold with a guaranteed placement, and is measured on brand metrics such as interaction and brand lift

 

FORM:媒体の通常コンテンツ枠に表示される

FUNCTION:編集コンテンツフィードとは異なる表示方法である

INTEGRATION:ページの外にリンクされる

BUYING & TARGETING:表示枠は保証されていない

MEASUREMENT:ブランドリフトなどのブランディングを主体とする

DISCLOSURE:大きく3つの表示形式に分かれている

 

1. レコメンド枠の上部に太字で明示
日本では、「あなたにおすすめの記事」「関連記事」「この記事を読んだ人におすすめの記事」などが使われています。 

2. ビジュアルの後ろや枠の先頭にスポンサー名が表示され、媒体やサードパーティ問わず、同じ枠にコンテンツが表示される。

3. サードパーティの場合、その企業名やロゴが表示され、媒体から提示されたものではないことがわかるようになっている。

当社の場合は、「powered by newziaコネクト」「powered by zenback」「Sponsored content」といった表記になっています。

 

ネイティブ広告を有効活用するには?

レコメンドタイプのネイティブ広告は、編集コンテンツをおすすめする枠であるため、広告であっても、消費者にコンテンツを期待させることが重要になります。

 コンテンツの定義自体は難しいものですが、シンプルに考えるのなら「消費者に有益な情報・価値を与えているもの」となります。それゆえ、編集コンテンツ中心のニュースメディアなどでは、消費者は読み物としての情報を期待します。

一方で、価格比較サイトなどで消費者が期待する情報は、製品の説明や価格になりますので、そのような誘導ページがふさわしくなります。ネイティブ広告は「リスティングもネイティブ広告! ネイティブ広告を識別するためのフレームワーク」でも説明したように、媒体のデザインだけでなく、機能(コンテキストや操作性)にも合わせることが重要なのです。だからこそ、自然(ネイティブ)な広告になれるわけです。

ネイティブ広告の多くは、認知やブランディングを目的として商品設計されています。一般的なネット広告にありがちな「刈り取り型」のサービス思想ではないため、同目的で実施してしまうと、マーケティングの目的が達成できなくなるケースがあります。

したがって、サービスの思想や目的を十分理解した上で、それに合わせたクリエイティブを用意し、マーケティングの目的を達成することが重要です。

ネイティブ広告は市場としても新しく、日本でも徐々に立ち上がろうとしています。ただ、ネイティブ広告といっても、サービスごとの特徴やマーケティングの目的は異なっており、マーケターはそれらサービスの性質を理解した上で使い分けることが重要です。

ネイティブ広告について興味を持たれた方は、ぜひ一度当社にお問い合わせください。

 

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著者紹介
吉永浩和
吉永浩和
ログリーの代表です。データ分析をコアコンピタンスとして、アドテク事業/メディアテクノロジー事業を展開しています。