クリックされるバナー広告のデザインとは?ディスプレイ広告クリエイティブの作り方

「ディスプレイ広告を出しているけど、なかなかクリックされない…」
「他社の広告は魅力的なのに、自社のバナーはいまいちパッとしない…」
「効果的な広告クリエイティブって、どうやって作ればいいの?」
Web広告、特にディスプレイ広告(画像や動画形式の広告)を運用する中で、このような悩みを抱えている担当者の方は多いのではないでしょうか。ターゲット設定や配信戦略ももちろん重要ですが、広告の成果を大きく左右する要因の一つが、ユーザーの目に直接触れる「広告クリエイティブ」そのものです。
この記事では、ディスプレイ広告の効果を最大化するための「広告クリエイティブ作成のコツ」を徹底解説します。ターゲットに響くバナー広告のデザイン、心を掴むコピー、クリックを促すCTA(Call to Action)のポイントから、A/Bテストによる改善方法、最新トレンドまで、初心者の方にも分かりやすくお伝えします。
この記事を読めば、”なんとなく”ではなく、”成果につながる”広告クリエイティブを作るための具体的なヒントが得られるはずです。
目次
なぜ重要?ディスプレイ広告におけるクリエイティブの役割

まず、なぜ広告クリエイティブがディスプレイ広告においてそれほど重要なのでしょうか?その役割を再確認しましょう。
膨大な情報の中でユーザーの目を引く「フック」
インターネット上には、日々膨大な情報と広告が溢れています。ユーザーはその多くを無意識のうちに見過ごしています。そんな中で、ディスプレイ広告のクリエイティブは、ユーザーの視線を一瞬で捉え、「おっ?」と思わせるための重要な「フック(引っかかり)」の役割を果たします。魅力的なクリエイティブでなければ、そもそも認識すらしてもらえません。
伝えたいメッセージを瞬時に伝える視覚言語
ディスプレイ広告が表示される時間は、ほんの一瞬かもしれません。その短い時間で、誰に、何を伝えたいのかを的確に伝える必要があります。クリエイティブは、色、形、画像、テキストといった要素を組み合わせた「視覚言語」であり、複雑な情報や感情を瞬時に伝える力を持っています。
クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)を左右する
ユーザーが広告に興味を持ち、クリックするかどうか(CTR: Click Through Rate)、そしてクリック後に商品購入や問い合わせといった行動(コンバージョン)に至るかどうか(CVR: Conversion Rate)は、クリエイティブの魅力や分かりやすさに大きく影響されます。効果的なクリエイティブは、これらの重要な指標を改善する原動力となります。
ブランドイメージを形成する要素
広告クリエイティブは、単にクリックを促すだけでなく、企業やブランドのイメージをユーザーに伝える役割も担っています。デザインのトンマナやコピーの言葉遣いなどが、ブランドに対する印象を形成していくのです。
【基本のコツ】効果的な広告クリエイティブ 3つの構成要素
効果的な広告クリエイティブは、主に以下の3つの要素で構成されています。これらのバランスを考えながら作成することが、成功への第一歩です。
① ターゲットの心をつかむ「デザイン」
広告の「見た目」です。色、レイアウト、画像、フォントなど、視覚的な要素全体を指します。ターゲットユーザーの注意を引きつけ、好感を持ち、メッセージを理解しやすくするための土台となります。
② 行動を促す「コピー(キャッチコピー)」
広告に含まれる「言葉」です。商品やサービスの魅力を伝え、ユーザーの興味関心を引きつけ、行動を促すための短い文章(キャッチコピーや説明文)を指します。
③ クリックへ導く「CTA(Call to Action)」
ユーザーに具体的な行動を促すための要素です。「詳しくはこちら」「無料トライアル」「今すぐ購入」といったボタンやテキストリンクなどがこれにあたります。
これらの要素を、広告の目的やターゲットに合わせて最適化していくことが、広告クリエイティブ作成のコツと言えるでしょう。
① ターゲットに響く!バナー広告デザインのポイント

では、具体的に「デザイン」を作成する上でのポイントを見ていきましょう。特にバナー広告のデザインで意識したい点です。
誰に何を伝えたいか?コンセプトを明確に
デザインを始める前に、「誰に(ターゲット)」「何を伝え(メッセージ)」「どうなってほしいか(目的)」という広告のコンセプトを明確にすることが最も重要です。これが曖昧なままでは、誰にも響かない、ぼやけたデザインになってしまいます。ターゲットの年齢、性別、興味関心、悩みなどを具体的にイメージしましょう。
配色で印象をコントロールする(ブランドカラー、コントラスト)
色は広告の印象を大きく左右します。
ブランドカラー: 企業のブランドイメージを反映する色を効果的に使いましょう。
ターゲット層: ターゲットが好みそうな色合いを意識します。(例:若年層向けなら明るくポップ、高年層向けなら落ち着いた色合い)
コントラスト: 背景色と文字色、画像と文字などのコントラストを意識し、視認性を高めることが重要です。特にCTAボタンは目立つ配色に。
色の数: 色数を絞ることで、洗練された統一感のあるデザインになります。一般的には3色程度に抑えるのが良いとされています。
可読性の高いフォント選びと文字サイズ
広告コピーが読まれなければ意味がありません。
フォント: 奇抜すぎるフォントは避け、ターゲットやブランドイメージに合った、読みやすいフォントを選びましょう。ゴシック体は力強く、明朝体は上品な印象を与えます。
文字サイズ: 小さすぎると読めません。最も伝えたいメッセージは大きく、補足情報は小さくするなど、ジャンプ率(文字サイズの差)をつけてメリハリを出すと効果的です。
文字数: バナー広告に入れられる文字数は限られています。情報を詰め込みすぎず、簡潔に伝えることを意識しましょう。
魅力的な画像・イラストの活用(フリー素材、独自素材)
画像やイラストは、ユーザーの注意を引きつけ、メッセージを補強する重要な要素です。
画質: 低画質の画像は広告全体の印象を損ねます。高画質な素材を選びましょう。
関連性: 広告の内容と関連性の高い、ターゲットの興味を引く画像を選びます。
人物写真: 人物の写真は共感を生みやすい傾向がありますが、ターゲット層に合ったモデルを選ぶことが重要です。
素材の権利: フリー素材を利用する場合はライセンス(利用規約)を必ず確認しましょう。可能であれば、オリジナルの写真やイラストを使うと独自性を出せます。
要素の配置とレイアウト(視線誘導、余白)
デザイン要素(画像、コピー、CTAボタン、ロゴなど)をどこに配置するかで、広告の見やすさや伝わり方が大きく変わります。
視線誘導: 人間の視線は左上から右下へ流れる傾向(Zの法則、Fの法則)があります。これを意識して重要な要素を配置しましょう。
グルーピング: 関連する要素は近くにまとめると、情報が整理されて見やすくなります。
余白: 要素を詰め込みすぎず、適度な余白(スペース)を設けることで、洗練された印象になり、重要な要素が引き立ちます。
ロゴ: 企業のロゴは忘れずに配置しましょう。通常は右下や左下など、隅に配置することが多いです。
媒体やサイズ規定に合わせた最適化
ディスプレイ広告は、掲載される媒体や広告枠によってサイズやファイル形式の規定が異なります。主要なバナーサイズ(例: 300×250, 728×90, 320×50など)に対応できるように作成し、各規定(ファイル容量制限など)を遵守する必要があります。
② 短く、強く!刺さる広告コピー作成のコツ

次に、ユーザーの心に響く「コピー」作成のコツです。特にバナー広告のようなスペースが限られたクリエイティブでは、短い言葉でいかに魅力的に伝えるかが勝負です。
ターゲットのベネフィット(利益)を明確に
ユーザーは「その商品やサービスが自分に何をもたらしてくれるのか(ベネフィット)」に関心があります。単なる機能の説明ではなく、それによってユーザーが得られる嬉しい結果や体験を具体的に伝えましょう。
例:「高機能な〇〇」→「〇〇で、あなたの△△がこんなに楽になる!」
数字や具体性で説得力UP
「満足度95%」「導入実績〇〇社」「たった5分で完了」のように、具体的な数字を入れると、コピーの説得力や信頼性が増します。
緊急性や限定性をアピール
「今だけ〇〇%OFF」「期間限定キャンペーン」「残り〇名様」といった言葉は、ユーザーの「今すぐ行動しなければ」という心理を刺激し、クリックを促す効果があります。ただし、使いすぎや虚偽表示は逆効果です。
簡潔で分かりやすい言葉を選ぶ
難しい専門用語や回りくどい表現は避け、ターゲットユーザーが瞬時に理解できる、シンプルで分かりやすい言葉を選びましょう。特にバナー広告では、一目で内容が把握できることが重要です。
③ 思わずクリック!効果的なCTAの作り方

最後に、ユーザーを次のアクションへと導く「CTA (Call to Action)」作成のポイントです。
具体的な行動を示す言葉を選ぶ
「クリック」のような曖昧な言葉ではなく、「何をすればいいのか」「クリックするとどうなるのか」が具体的に分かる言葉を選びましょう。
例:「詳しくはこちら」「資料をダウンロード」「無料トライアルを始める」「今すぐ購入」
ボタンのデザインを目立たせる
CTAはユーザーに見つけてもらい、クリックしてもらわなければ意味がありません。
色: 周囲の色とコントラストをつけ、目立つ色を選びましょう。
形: クリックできることが分かりやすい、ボタンらしい形にします。
配置: ユーザーの視線の流れを考慮し、自然に目に入る位置(通常はバナーの下部や右側)に配置します。
サイズ: 小さすぎず、押しやすい適切なサイズにします。
CTAは一つに絞るのが基本
一つの広告クリエイティブに入れるCTAは、原則として一つに絞りましょう。複数の選択肢を提示すると、ユーザーが迷ってしまい、結局どの行動も起こさない可能性があります。最も促したい行動を明確にし、それに対応するCTAを設定します。
静止画だけじゃない!動画広告クリエイティブのポイント

近年、ディスプレイ広告の中でも動画広告の重要性が増しています。動画ならではの表現力を活かすためのポイントも押さえておきましょう。
動画広告のメリット(情報量、ストーリー性)
動画は、静止画に比べて圧倒的に多くの情報を伝えることができます。動きや音、ストーリー展開によって、ユーザーの感情に訴えかけ、強い印象を残すことが可能です。
冒頭数秒で惹きつける「掴み」の重要性
多くの動画広告は、最初の数秒で視聴を続けるかどうかが判断されます。特にスキップ可能な広告では、冒頭でいかにユーザーの興味を引きつけられるかが勝負です。「何についての広告か」「どんなメリットがあるか」を素早く提示しましょう。
音声なしでも伝わる工夫(テロップ、視覚要素)
スマートフォンなどで視聴される場合、音声オフの状態で再生されることも少なくありません。音声がなくても内容が理解できるよう、重要な情報はテロップ(字幕)を入れたり、視覚的に分かりやすい映像表現を用いたりする工夫が必要です。
最適な動画の長さとは?
動画広告の最適な長さは、媒体や目的によって異なりますが、一般的には短い方が好まれます。特にSNSなどでは、15秒〜30秒程度の短い動画が主流です。伝えたいメッセージを凝縮し、簡潔にまとめることが重要です。
作成したら終わりじゃない!A/Bテストで効果を最大化

渾身の広告クリエイティブが完成しても、それで終わりではありません。「本当にこのデザイン、コピー、CTAが最適なのか?」を検証し、さらに効果を高めるためにA/Bテストを実施しましょう。
A/Bテストとは?目的とメリット
A/Bテストとは、一部分だけが異なる2つ(またはそれ以上)のクリエイティブパターンを用意し、どちらがより高い成果(例: CTR, CVR)を出すかを実際に配信して比較検証する手法です。勘や推測ではなく、データに基づいて効果的なクリエイティブを見つけ出すことができます。
テストする要素の例(画像、コピー、CTA、色など)
A/Bテストでは、一度に変更する要素は一つに絞るのが原則です。比較対象として、以下のような要素がよくテストされます。
画像・イラスト: 人物写真 vs イラスト、異なる写真素材など
コピー: キャッチコピーの文言、訴求軸の違いなど
CTA: ボタンの文言(「資料請求」vs「無料DL」)、色、形、配置など
配色: 背景色、文字色、ボタンの色など
レイアウト: 要素の配置パターン
効果測定と改善のサイクル
テスト結果が出たら、どちらのパターンが良かったかをデータで確認し、効果の高かったパターンを採用します。そして、さらに別の要素でテストを繰り返し、継続的にクリエイティブを改善していくことが重要です。これが、広告効果を最大化するためのPDCAサイクルです。
押さえておきたい!広告クリエイティブの最新トレンド

最後に、広告クリエイティブ制作のヒントとなるかもしれない、近年のトレンドにも少し触れておきましょう。
パーソナライゼーションとダイナミック広告
ユーザーの属性や行動履歴に合わせて、表示するクリエイティブ(商品画像やコピーなど)を動的に最適化する「ダイナミック広告」が注目されています。より一人ひとりに響く、パーソナライズされた広告体験を提供します。
インタラクティブ要素の活用
単純に見せるだけでなく、ユーザーが広告に触れたり、操作したりできるインタラクティブ(双方向)な要素を取り入れたクリエイティブも増えています。ゲーム性を持たせたり、アンケート形式にしたりすることで、エンゲージメントを高める狙いがあります。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)風クリエイティブ
企業が作った広告よりも、一般ユーザーの口コミやレビュー(UGC: User Generated Content)の方が信頼されやすいという傾向があります。そのため、広告クリエイティブにあえてUGCのような、リアルで自然な雰囲気を取り入れる手法も見られます。
シンプル・ミニマルデザインへの回帰?
情報過多な中で、逆に要素を絞り込み、メッセージを際立たせるシンプルで洗練されたデザインも根強い人気があります。余白を活かし、伝えたいことをストレートに表現するスタイルです。
これらのトレンドを参考にしつつも、最も重要なのは自社のターゲットと目的に合っているかどうかです。流行に流されすぎず、本質を見極める視点を持ちましょう。
まとめ:魅力的なクリエイティブでディスプレイ広告の効果を高めよう
今回は、ディスプレイ広告の効果を高めるための「広告クリエイティブ作成のコツ」について、デザイン、コピー、CTAの基本からA/Bテスト、最新トレンドまで幅広く解説しました。
魅力的な広告クリエイティブは、ユーザーの注意を引き、メッセージを効果的に伝え、最終的な成果へと繋げるための強力な武器となります。この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひあなたの広告クリエイティブを磨き上げてください。
そして忘れてはならないのが、「作って終わり」ではなく、「改善し続ける」という視点です。データに基づいたA/Bテストなどを通じて、より効果的なクリエイティブを追求していくことが、ディスプレイ広告成功の鍵となります。
効果的なディスプレイ広告クリエイティブを作成するコツは掴めましたでしょうか?せっかく作成した魅力的なクリエイティブも、適切なユーザーに届け、その効果をしっかり分析・改善しなければ意味がありません。ログリーが提供する『AdsContext』や『Ads Omni』は、独自の技術と豊富な配信ネットワークで、あなたの広告クリエイティブを最適なターゲットに届け、効果測定から次の施策立案までをサポートします。クリエイティブの効果を最大限に引き出すためのプラットフォームにご興味があれば、ぜひ詳細をご覧ください。
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