Webサイト分析の基本!見るべき指標と改善アクションを初心者向けに解説

2025年5月12日
マーケティング担当
Audience Analytics

「自社サイトのアクセスデータ、なんとなく眺めているだけになっていない…?」

「Webサイトを改善したいけれど、どの数字をどう見ればいいのか分からない…」

「Webサイト分析で見るべきポイントって、具体的にどこなの?」

Webサイトを運営し、その成果を高めていく上で「Webサイト分析」は欠かせないプロセスです。しかし、アクセス解析ツールには多くの指標が並び、どこに注目し、どう行動に繋げれば良いのか戸エンゲージる方も少なくありません。

この記事では、Webサイト分析の基本的な目的から、初心者の方がまず見るべき主要指標とその意味、そしてそれらの指標からどのような課題が推測でき、どんなWebサイト改善アクションに繋げられるのかを、分かりやすく解説します。

この記事を読めば、アクセス解析のデータに隠されたサイト改善のヒントを見つけ出し、具体的な行動を起こすための第一歩を踏み出せるはずです。

 Webサイト分析とは?【なぜ重要?目的を理解する】

 Webサイト分析の定義:サイトの現状を把握し、課題発見・改善に繋げる活動

Webサイト分析とは、Webサイトへのアクセス状況やサイト内でのユーザー行動に関するデータを収集・解析し、サイトの現状を客観的に把握することで、課題を発見し、具体的な改善策の立案・実行、そしてその効果検証に繋げる一連の活動のことです。

単に数値を眺めるだけでなく、その数値が意味することや背景を理解し、次のアクションに繋げることが重要となります。

 Webサイト分析の主な目的

Webサイト分析を行う主な目的は、企業やサイトの種類によって様々ですが、一般的には以下のような点が挙げられます。

・ Webサイトの成果向上: 売上増加、リード獲得、問い合わせ数増加など、サイトが持つ最終的な目標(コンバージョン)の達成度を高める
・ユーザー体験(UX)の改善: ユーザーがサイトを快適に利用できるように、使い勝手やコンテンツの質を向上させる
・課題の発見とボトルネックの解消: ユーザーが離脱しやすいページや、目標達成を妨げている要因(ボトルネック)を特定し、改善する
・マーケティング施策の効果測定: 広告キャンペーンやSEO対策、コンテンツマーケティングなどの効果を測定し、費用対効果を評価する
・ 顧客理解の深化: サイトを訪れるユーザーの属性や行動パターンを理解し、より的確なコミュニケーション戦略を立てる

 分析をしないことのリスク

逆に、Webサイト分析を怠ると、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

・ 機会損失: サイトの課題に気づかず、改善の機会を逃してしまう
・非効率な施策の継続: 効果の低いマーケティング施策に気づかず、無駄なコストをかけ続けてしまう
・ユーザー満足度の低下: 使いにくいサイトや質の低いコンテンツを放置することで、ユーザーの不満が高まり、ブランドイメージが悪化する
・競争力の低下: 競合サイトがデータに基づいて改善を進める中で、自社サイトが取り残されてしまう

 【アクセス解析の基本】見るべき主要指標とその意味

Webサイト分析を始めるにあたり、まずはアクセス解析ツールで確認できる主要な指標とその意味を理解しましょう。ここでは、Google Analytics 4 (GA4) などでよく見られる基本的な指標を紹介します。

 サイト全体の状況を把握する指標

 PV(ページビュー)数: Webサイト内のページが閲覧された総回数です。サイト全体の人気度や、特定のページがどれだけ見られているかを示します。

 UU(ユニークユーザー)数 / ユーザー数: 特定の期間内にサイトを訪れた、重複しないユーザーの数です。どれだけ多くの「人」がサイトにアクセスしたかを示します。

 セッション数(訪問数): ユーザーがサイトを訪れてから離脱するまでの一連の行動を1セッションと数えます。1人のユーザーが複数回訪問すれば、セッション数も複数カウントされます。

 ユーザー行動の質を測る指標

 平均セッション時間 / 平均エンゲージメント時間: ユーザーが1回の訪問(セッション)あたり、サイトに平均してどれくらいの時間滞在したかを示します。GA4では「平均エンゲージメント時間」として、実際にユーザーがアクティブだった時間がより重視されます。長いほど、コンテンツに興味を持っている可能性があります。

 直帰率: ユーザーがサイトを訪問し、最初の1ページだけを見て他のページに移動せずに離脱してしまった割合です。直帰率が高いページは、ユーザーの期待とコンテンツが合っていない、次の導線が分かりにくいなどの課題が考えられます。(GA4では「エンゲージメントのなかったセッションの割合」が近い概念ですが、厳密には定義が異なります)

 離脱率: 特定のページを最後にサイトを離れたセッションの割合です。コンバージョンに至る手前の重要なページ(例:申し込みフォームページ)の離脱率が高い場合は、そのページに問題がある可能性があります。

 ページ/セッション(回遊率): 1回の訪問あたりにユーザーが閲覧した平均ページ数です。この数値が高いほど、ユーザーがサイト内をよく巡っていることを示します。

 成果を測る指標

 CVR(コンバージョン率): サイト訪問者のうち、商品購入、資料請求、会員登録といったサイトの目標(コンバージョン)を達成した割合です。`コンバージョン数 ÷ セッション数(またはユーザー数) × 100 (%)` で計算されます。

 コンバージョン数: 設定した目標が達成された総数です。

 各指標の目安と考え方

これらの指標の「良い/悪い」の目安は、Webサイトの種類(ECサイト、メディアサイト、コーポレートサイトなど)、目的、ターゲットユーザー、集客方法などによって大きく異なります。

例えば、Q&Aサイトのように1ページで疑問が解決するサイトでは直帰率が高くても問題ありませんが、ECサイトで多くの商品を見てほしい場合は、ある程度の回遊率が求められます。

単純に数値の大小だけで判断せず、自社サイトの特性を理解し、過去のデータや業界平均(もしあれば)と比較しながら、目標値を設定し、変化を追っていくことが重要です。

 指標から読み解く!よくある課題と改善アクションのヒント

Webサイト分析で得られた指標から、どのような課題が推測でき、どんなWebサイト改善アクションに繋げられるのでしょうか?ここでは、よくあるケースとそのヒントをご紹介します。

 【課題】PV数・UU数は多いのに、直帰率が高い・滞在時間が短い

 推測される原因:

・検索結果や広告文と、ランディングページの内容がユーザーの期待と合っていない
・ページの第一印象(ファーストビュー)で魅力が伝わらない
・コンテンツの質が低い、読みにくい
・サイトの表示速度が遅い
・次に見てほしいページへの導線(内部リンクなど)が分かりにくい、または存在しない

 改善アクションのヒント:

・ランディングページのコンテンツと、集客元のメッセージ(広告文、検索スニペットなど)の整合性を見直す。
・ファーストビューに最も重要な情報や魅力的なキャッチコピーを配置する
・コンテンツの質(情報量、分かりやすさ、独自性)を向上させる
・サイトの表示速度を改善する
・関連性の高い内部リンクを設置し、次の行動を促す

 【課題】特定の重要ページ(商品ページ、申し込みフォームなど)の離脱率が高い

 推測される原因:

・商品情報やサービス内容が不足している、分かりにくい
・価格が高い、または価格の妥当性が伝わっていない
・CTA(Call to Action:行動喚起)ボタンが目立たない、文言が魅力的でない
・入力フォームの項目が多い、エラー表示が分かりにくいなど、フォーム自体に問題がある(EFO: Entry Form Optimizationの課題)
・ユーザーが不安を感じる要素がある(セキュリティ、信頼性など)

 改善アクションのヒント:

・商品・サービス説明を充実させ、画像や動画も活用する
・価格に見合う価値を伝える(お客様の声、導入事例など)
・CTAボタンのデザインや文言を改善し、A/Bテストを行う
・入力フォームの項目を削減し、入力支援機能を導入する
・安心感を与える情報(セキュリティマーク、プライバシーポリシー、運営者情報など)を明示する

 【課題】CVR(コンバージョン率)が低い

 推測される原因:

・サイト全体のターゲットユーザーと、実際の訪問ユーザー層にズレがある。
・提供しているオファー(商品、サービス、情報)がターゲットにとって魅力的でない
・コンバージョンへの導線が複雑で分かりにくい
・サイトの信頼性が低い
・競合と比較して魅力が劣っている

 改善アクションのヒント:

・ペルソナ(理想の顧客像)を再設定し、集客戦略やコンテンツ内容を見直す
・オファー内容(価格、特典、機能など)の魅力度を高める
・コンバージョンまでのステップを簡略化し、分かりやすい導線を設計する
・お客様の声や実績を掲載し、信頼性を高める
・競合サイトを分析し、自社の強みを明確に打ち出す
・オファー内容(価格、特典、機能など)の魅力度を高める

 【課題】特定の流入経路からのユーザーの質が低い(直帰率高い、CVしない)

 推測される原因:

・広告のターゲティング設定が適切でない
・広告クリエイティブや広告文と、ランディングページの内容が一致していない
・SEOで狙っているキーワードと、コンテンツの内容、ユーザーの検索意図にズレがある
・参照元サイトの読者層と、自社サイトのターゲット層が合っていない

 改善アクションのヒント:

・広告のターゲティング設定を見直す
・広告とランディングページのメッセージの一貫性を高める
・SEO対策キーワードとコンテンツ内容、想定される検索意図を再検討する
・被リンク元のサイトの質を確認する

これらの課題と改善アクションはあくまで一例です。重要なのは、自社サイトのデータと向き合い、仮説を立て、検証を繰り返していくことです。

 Webサイト分析ツールの基本的な使い方

Webサイト分析を実践するためには、アクセス解析ツールの活用が不可欠です。ここでは、多くの企業で利用されているGoogle Analytics 4 (GA4)を念頭に、基本的な使い方や考え方をご紹介します。

 まずは導入しよう

まだ導入していない場合は、GA4などのアクセス解析ツールをWebサイトに導入することから始めましょう。導入方法はツールのヘルプドキュメントなどを参照してください。初期設定(目標設定(コンバージョン設定)など)も重要です。

 期間比較で変化を見る

特定の期間(例:今月)のデータを見るだけでなく、過去の同じ期間(例:前月、前年同月)と比較することで、サイトの成長や施策の効果、季節変動などを把握できます。「先月よりPVが増えた」「去年よりCVRが下がった」といった変化に気づくことが、課題発見の第一歩です。

 セグメント機能で深掘りする

全体の平均値を見るだけでなく、ユーザーを特定の条件で絞り込んで(セグメントして)分析することで、より詳細なインサイトが得られます。

例えば、

 流入元別: 検索エンジン経由のユーザーと広告経由のユーザーでは行動がどう違うか?
 ユーザー属性別: 新規ユーザーとリピーター、特定の年齢層や性別ではどうか?
 デバイス別: PCユーザーとスマートフォンユーザーではどうか?
といった切り口で分析することで、ターゲットごとの課題や改善点が見えてきます。

 レポートを定期的に確認する習慣をつける

アクセス解析は、一度見て終わりではありません。定期的に(毎日、毎週、毎月など)主要な指標を確認する習慣をつけましょう。変化に早く気づき、迅速に対応できるようになります。チームでレポートを共有し、課題や改善策について議論するのも効果的です。

 Webサイト分析をさらに進めるために

基本的なアクセス解析に慣れてきたら、さらに以下のような手法を取り入れることで、より深い分析や効果的な改善に繋げることができます。

 ヒートマップ分析の活用

ヒートマップツールは、ユーザーがページのどこをよく見ているか(熟読エリア)、どこをクリックしているか、どこまでスクロールしたかなどを色の濃淡で可視化するツールです。GA4だけでは分からない、ページ内での具体的なユーザー行動を把握し、UI/UX改善のヒントを得るのに役立ちます。

 A/Bテストの実施

Webサイトのデザイン要素(見出し、画像、ボタンの色や文言など)の一部を変更した複数のパターンを用意し、どちらがより高い成果(例:クリック率、コンバージョン率)を出すかを実際に配信して比較検証する手法です。データに基づいて、効果的なデザインやコピーを見つけ出すことができます。

 ユーザーアンケートやインタビュー

定量的なデータ分析だけでなく、ユーザーアンケートやインタビューといった定性的な調査を行うことで、数値だけでは分からないユーザーの生の声(ニーズ、不満、要望など)を把握できます。データ分析の結果と組み合わせることで、より本質的な課題解決に繋がります。

 まとめ:Webサイト分析を習慣化し、継続的な改善で成果を最大化しよう

今回は、Webサイト分析の基本として、見るべき指標やその意味、そしてデータから課題を発見しWebサイト改善アクションに繋げるためのヒントを解説しました。

アクセス解析で得られるデータは、Webサイトという「お店」の健康状態を示す診断書のようなものです。定期的にチェックし、課題があれば早期に対処することで、サイトをより良い状態に保ち、成果を最大化していくことができます。

重要なのは、単に数値を眺めるだけでなく、「なぜこの数値なのか?」「この数値から何が言えるのか?」「次に何をすべきか?」と常に問い続け、仮説と検証を繰り返しながら、継続的に改善サイクルを回していくことです。

Webサイトの分析において、見るべきポイントや重要な指標は多岐にわたります。しかし、それらのデータをただ眺めるだけでなく、課題を発見し、具体的なWebサイト改善アクションに繋げることが何より重要です。ログリーが提供する『Audience Analytics』は、無料で利用できるWebサイト分析ツール/DMPです。サイト訪問者の行動を詳細に分析し、見るべきポイントを明確にするだけでなく、顧客理解を深め、効果的なセグメントを作成することで、よりデータに基づいたWebサイト改善を支援します。直感的なインターフェースで、初心者の方でも簡単にWebサイト分析の第一歩を踏み出し、継続的な改善サイクルを回すことができます。ぜひAudience Analyticsの詳細をご覧ください。

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