インフルエンサーマーケティングの始め方!依頼方法から効果測定まで徹底解説

「最近よく聞くインフルエンサーマーケティング、自社でも取り入れてみたいけど、何から始めればいいんだろう?」
「インフルエンサーへの依頼方法や費用ってどうなってるの?」
「施策の効果って、具体的にどうやって測ればいいの?」
SNSの普及とともに、個人の発信が大きな影響力を持つ時代になりました。そんな中、マーケティング手法として注目を集めているのが「インフルエンサーマーケティング」です。しかし、その具体的な始め方やインフルエンサーへの依頼方法、さらには効果測定については、まだよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、インフルエンサーマーケティングの基本的な知識から、実践的な始め方のステップ、効果的なインフルエンサーの選び方、具体的な依頼方法と注意点、そして施策の成果を測るための効果測定まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
この記事を読めば、インフルエンサーマーケティングの全体像を理解し、自社のマーケティング戦略に効果的に組み込むための具体的なアクションプランが見えてくるはずです。
目次
インフルエンサーマーケティングとは?【基本と重要性を理解する】
定義:影響力のある人物(インフルエンサー)を起用したマーケティング手法
インフルエンサーマーケティングとは、主にSNS(Instagram, X(旧Twitter), YouTube, TikTokなど)で特定の分野において大きな影響力を持つ人物、いわゆる「インフルエンサー」に自社の商品やサービスを紹介してもらい、そのフォロワーやファンを通じてターゲット顧客への認知拡大や購買意欲向上を目指すマーケティング手法です。
インフルエンサーは、フォロワー数によって以下のように分類されることもあります。
・メガインフルエンサー: 数百万人以上のフォロワー
・ミドルインフルエンサー(パワーインフルエンサー): 数十万人規模のフォロワー
・マイクロインフルエンサー: 数千人~数万人規模のフォロワー
・ナノインフルエンサー: 数百人~数千人規模のフォロワー
それぞれリーチできる層やエンゲージメント率の傾向が異なるため、目的に応じた選定が重要です。
なぜ今、インフルエンサーマーケティングが注目されるのか?
インフルエンサーマーケティングが急速に普及している背景には、以下のような要因があります。
1. SNS利用の一般化と情報収集の変化: 多くの人が日常的にSNSを利用し、商品やサービスの情報をSNS上の口コミやインフルエンサーの投稿から得るようになっています。
2. 従来の広告手法への不信感・飽和感: 一方的な企業からの広告メッセージが届きにくくなっている、あるいは敬遠される傾向があります。
3. 口コミ(UGC)の重要性: ユーザーが生成するコンテンツ(UGC: User Generated Content)が購買意思決定に大きな影響を与えるようになり、インフルエンサーによる発信はその質の高いUGC創出のきっかけとなります。
4. ターゲティングの精度向上: 特定の趣味・嗜好を持つフォロワーが集まるインフルエンサーを起用することで、企業は狙いたいターゲット層へピンポイントに情報を届けやすくなります。
企業にもたらすメリット
インフルエンサーマーケティングを適切に活用することで、企業は以下のようなメリットを期待できます。
認知度の向上: インフルエンサーのフォロワーを通じて、短期間で多くの人に商品やサービスを知ってもらえます。
信頼性・共感性の獲得: ユーザーは企業からの広告よりも、信頼するインフルエンサーからの情報を「自分ゴト化」しやすく、共感や信頼を得やすい傾向があります。
ターゲット層への的確なリーチ: 特定のジャンルに特化したインフルエンサーを起用することで、そのジャンルに関心のある層へ効率的にアプローチできます。
購買行動の促進: インフルエンサーの推奨やレビューが、フォロワーの購買意欲を刺激し、実際の購入に繋がりやすくなります。
質の高いコンテンツ生成: インフルエンサーが作成するクリエイティブな投稿は、企業の新たなコンテンツ資産にもなり得ます。
インフルエンサーマーケティングのメリット・デメリット
魅力的なメリットがある一方で、デメリットや注意点も理解しておくことが重要です。
メリット
高い共感性と信頼性: インフルエンサーとフォロワーの関係性に基づき、広告感が薄く、自然な形で受け入れられやすい。
ターゲット層への的確なリーチ: 特定の興味関心を持つコミュニティに直接アプローチできる。
口コミ効果(UGC創出)の促進: インフルエンサーの投稿がきっかけとなり、フォロワーによるさらなる口コミや情報拡散(UGC)が期待できる。
費用対効果の可能性: 施策によっては、マス広告よりも低いコストで高い効果を得られる場合がある。
ブランディング効果: インフルエンサーの世界観を通じて、ブランドイメージの向上や新たな価値観の付与が期待できる。
デメリット
インフルエンサー選定の難しさ: 自社のブランドや商品と親和性が高く、かつ倫理観のある適切なインフルエンサーを見つけるのが難しい。
炎上リスク: インフルエンサーの過去の言動や、施策内容、PR表記の不備などが原因で、予期せぬ炎上を引き起こす可能性がある。
効果測定の難しさ: リーチやエンゲージメントは測定できても、売上への直接的な貢献度を正確に把握するのが難しい場合がある。
ステルスマーケティング(ステマ)と誤解されるリスク: 広告であることを隠したPR(ステマ)は景品表示法で規制されており、適切な情報開示(「PR」「広告」などの明記)が不可欠。
コントロールの難しさ: インフルエンサーの個性やクリエイティビティを尊重する必要があるため、企業側の意図を細部まで完全にコントロールするのは難しい。
【実践ステップ】インフルエンサーマーケティングの始め方
では、実際にインフルエンサーマーケティングを始めるには、どのようなステップで進めれば良いのでしょうか?基本的な流れをご紹介します。
ステップ1:目的とKPI(重要業績評価指標)を明確にする
まず、「何のためにインフルエンサーマーケティングを行うのか?」という目的を明確にします。例えば、「新商品の認知度向上」「ブランドのイメージアップ」「特定のターゲット層へのリーチ」「ECサイトへの集客・売上向上」などです。
次に、その目的を達成できたかどうかを測るためのKPI(Key Performance Indicator)を設定します。KPIの例としては、リーチ数、エンゲージメント率、ウェブサイトへの遷移数、コンバージョン数などが挙げられます(詳細は後述)。
ステップ2:ターゲットオーディエンスを定める
誰に情報を届けたいのか、ターゲットオーディエンスを具体的に設定します。年齢、性別、居住地、興味関心、ライフスタイルなどを明確にすることで、起用すべきインフルエンサーの方向性が見えてきます。
ステップ3:予算を設定する
インフルエンサーマーケティングにかける予算を決定します。インフルエンサーへの依頼費用(フォロワー単価、投稿単価、ギフティングなど)、プラットフォーム利用料、効果測定ツール費用などを考慮に入れます。
ステップ4:インフルエンサーを選定する
目的、ターゲットオーディエンス、予算に合わせて、最適なインフルエンサーを選定します。選定のポイントは次章で詳しく解説します。
ステップ5:施策(投稿内容、キャンペーン)を企画する
インフルエンサーにどのような投稿をしてもらうか、具体的な施策内容を企画します。商品レビュー、体験レポート、共同でのコンテンツ制作、プレゼントキャンペーンなど、様々な形が考えられます。インフルエンサーの個性やフォロワー層に合った、共感を生む企画が重要です。
ステップ6:インフルエンサーへ依頼・交渉する
選定したインフルエンサー(または所属事務所)に施策内容を伝え、協力を依頼し、条件(投稿内容、報酬、納期、PR表記など)を交渉・合意します。
ステップ7:施策を実行し、効果を測定・分析する
インフルエンサーに投稿などを実施してもらい、事前に設定したKPIに基づいて効果を測定・分析します。その結果を元に、次回の施策への改善点を見つけ出します。
成功の鍵!インフルエンサー選定のポイント
インフルエンサーマーケティングの成果は、どのインフルエンサーを起用するかに大きく左右されます。選定時の重要なポイントを見ていきましょう。
ポイント1:自社ブランドや商品との親和性
インフルエンサーが発信する世界観や価値観、普段の投稿内容が、自社のブランドイメージや紹介したい商品・サービスと合っているか(親和性が高いか)は最も重要なポイントです。親和性が低いと、フォロワーに違和感を与え、期待した効果が得られません。
ポイント2:フォロワー数だけでなく「質」と「エンゲージメント率」を見る
フォロワー数が多いことは一つの指標ですが、それだけでは不十分です。フォロワーが自社のターゲット層と合致しているか(質)、そして投稿に対してどれくらいの反応(いいね、コメント、シェアなど)があるかを示すエンゲージメント率も重視しましょう。エンゲージメント率が高いインフルエンサーは、フォロワーとの関係性が良好であると言えます。
ポイント3:過去の投稿内容やフォロワーの属性
インフルエンサーの過去の投稿をよく確認し、その内容やクオリティ、言葉遣い、炎上リスクのある発言がないかなどをチェックします。また、フォロワーの年齢層、性別、興味関心といった属性データ(ツールで分析可能な場合もある)も、自社のターゲットと合致するかを確認する上で重要です。
ポイント4:インフルエンサーの価値観やイメージ
インフルエンサー自身が持つ価値観やパブリックイメージが、自社のブランドメッセージと矛盾しないかを確認します。長期的なブランド構築を考える上で重要な視点です。
ポイント5:ステルスマーケティング(ステマ)への理解と姿勢
広告であることを隠して宣伝を行うステルスマーケティングは、景品表示法で規制されており、発覚した場合のブランドイメージ失墜リスクは計り知れません。インフルエンサーがPR案件であることを適切に開示する意識を持っているか、過去のPR投稿で問題がなかったかなどを確認しましょう。
インフルエンサーへの依頼方法と注意点
適切なインフルエンサーを見つけたら、次はインフルエンサーへの依頼方法です。スムーズに進めるための注意点も押さえておきましょう。
依頼方法の種類
主な依頼方法としては、以下の3つがあります。
1. 直接DM(ダイレクトメッセージ)などで依頼する: インフルエンサーのSNSアカウントに直接連絡を取る方法。仲介手数料がかからない反面、返信がない、交渉が難しいなどのケースも。
2. インフルエンサーの所属事務所(プロダクション)経由で依頼する: 多くのインフルエンサーが所属する事務所に連絡し、依頼する。契約や進行管理がスムーズな場合が多いが、仲介手数料が発生する。
3. インフルエンサーマーケティングプラットフォームを利用する: 多数のインフルエンサーが登録しており、検索、依頼、効果測定などを一元的に行えるプラットフォームを利用する。効率的だが、プラットフォーム利用料がかかる場合がある。
依頼時の明確なブリーフィング内容
インフルエンサーに依頼する際には、以下の情報を明確に伝える「ブリーフィング」が重要です。認識のズレを防ぎ、期待する成果を得るために不可欠です。
施策の目的、ターゲットオーディエンス
紹介してほしい商品・サービスの詳細、訴求ポイント
期待する投稿内容のイメージ(トンマナ、雰囲気など)
必ず含めてほしいキーワードやハッシュタグ
逆に避けてほしい表現やNG事項
報酬(金額、提供方法、支払い条件など)
投稿スケジュール、納期
PR表記(PR, 広告など)の方法
契約条件の確認
口約束ではなく、必ず契約書を取り交わしましょう。確認すべき主な項目は以下の通りです。
投稿内容の著作権の帰属
投稿コンテンツの二次利用の可否や範囲
競合他社製品のPR制限期間
秘密保持義務
契約解除条件
コミュニケーションの重要性
依頼後も、インフルエンサーと定期的にコミュニケーションを取り、進捗状況を確認したり、疑問点に答えたりすることが大切です。良好な関係を築き、お互いの期待値をすり合わせることで、より良い成果に繋がります。
ステルスマーケティング規制への対応
繰り返しになりますが、ステルスマーケティングは絶対に避けなければなりません。景品表示法では、2023年10月1日から、事業者の広告であることを明示しない投稿は不当表示(優良誤認表示、有利誤認表示)と見なされる可能性があります(いわゆるステマ規制)。インフルエンサーにもこの点をしっかり伝え、投稿内に「PR」「広告」「プロモーション」「〇〇社様から商品提供いただきました」など、消費者が広告であると明確に認識できる表示を徹底してもらいましょう。
インフルエンサーマーケティングの効果測定とKPI
施策を実行したら、その効果をきちんと測定し、次へと活かすことが重要です。インフルエンサーマーケティングの効果測定でよく用いられるKPIをご紹介します。
定量的なKPI例
リーチ数: 投稿がどれだけのユーザーに表示されたか。
インプレッション数: 投稿が表示された総回数。
エンゲージメント数・率: 投稿に対する「いいね!」「コメント」「シェア」「保存」などのアクションの総数、およびフォロワー数に対する割合。エンゲージメント率が高いほど、質の高いフォロワーに響いたと言えます。
ウェブサイトへのクリック数・遷移数 (CTR): 投稿内のリンクから、自社サイトへどれだけ誘導できたか。
コンバージョン数・率 (CVR): 商品購入、資料請求、会員登録など、設定した目標をどれだけ達成できたか。
売上貢献額 (ROI): 施策にかかった費用に対して、どれだけの売上があったか。
ハッシュタグ利用数: キャンペーン独自のハッシュタグがどれだけ使われたか。
フォロワー増加数: 施策実施期間中の自社アカウントのフォロワー増加数。
定性的な効果例
数値化しにくいですが、以下のような定性的な効果も重要です。
ブランドイメージの向上・変化
ブランド認知度の向上
口コミ(UGC)の質・量の変化
特定のターゲット層における話題性
効果測定ツールの活用
これらのKPIを測定するためには、以下のようなツールの活用が有効です。
各SNSのインサイト機能: InstagramやXなどのプラットフォームが提供する分析機能。
インフルエンサーマーケティングプラットフォームの分析機能: 多くのプラットフォームには、施策の効果を測定・レポーティングする機能が備わっています。
Google Analytics (GA4): キャンペーンパラメータ(UTMパラメータ)を付与したURLをインフルエンサーに共有することで、サイトへの流入やコンバージョンを計測。
専用の効果測定ツール: インフルエンサーマーケティングに特化した分析ツールもあります。
レポーティングと次回への改善点の洗い出し
測定結果をまとめ、施策の目的が達成できたか、KPIは目標値に達したかを評価します。良かった点、悪かった点を分析し、次回のインフルエンサーマーケティング施策をより効果的に行うための改善点を洗い出しましょう。
まとめ:戦略的なインフルエンサーマーケティングで成果を掴もう
今回は、インフルエンサーマーケティングの始め方から、インフルエンサーへの依頼方法、そして効果測定まで、一連の流れと重要なポイントを解説しました。
インフルエンサーマーケティングは、正しく理解し戦略的に活用すれば、企業にとって非常に強力なマーケティング手法となり得ます。しかし、その一方で、インフルエンサー選定の難しさや炎上リスク、ステルスマーケティングへの配慮など、注意すべき点も少なくありません。
成功のためには、明確な目的設定、ターゲットに合ったインフルエンサー選定、透明性のある情報開示、そして継続的な効果測定と改善が不可欠です。
インフルエンサーマーケティングを始め方から効果測定までスムーズに進めるためには、適切なツールの活用が有効です。特に、自社に合ったインフルエンサーの選定や、煩雑になりがちな依頼方法の管理、そして施策の効果測定は重要なポイントとなります。ログリーが提供する『Buzz』は、インフルエンサーの探索から施策の管理、レポーティングまでを一元的に行えるプラットフォームです。データに基づいたインフルエンサー選定や、キャンペーン効果の可視化を通じて、より戦略的なインフルエンサーマーケティングの実践をサポートします。これからインフルエンサーマーケティングを始めたい、あるいはもっと効果を高めたいとお考えなら、ぜひBuzzの詳細をご覧ください。
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