顧客行動分析ツールでサイト改善!ユーザーフローから見抜くボトルネックと具体例

2025年7月1日
マーケティング担当
Audience Analytics

「Webサイトにアクセスは増えているのに、なぜかコンバージョンに繋がらない…」

「ユーザーがどこで離脱しているのか、アクセス解析だけでは見えにくい…」

「自社サイトのウェブサイトボトルネックがどこにあるのか、どうやって特定すればいいの?」

Webサイトを運営しているなら、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。GoogleAnalyticsのようなアクセス解析ツールで全体の数値は把握できても、なぜユーザーが途中で離脱してしまうのか、その「隠れたボトルネック」を見つけ出すのは至難の業です。まるで、水漏れしているパイプのどこに穴があるのか、目視では分からないようなものです。

この記事では、ウェブサイトのボトルネックを発見するための、より詳細な顧客行動分析のツールと手法を解説します。ヒートマップ、クリックパス、ファネル分析、セッションリプレイなどの活用を通じて、ユーザーの行動フローのどこでつまずいているのか、離脱の要因は何かを特定し、具体的なサイト改善の具体例を導き出す方法を紹介します。

この記事を読めば、あなたのWebサイトに潜む「隠れた課題」を発見し、効果的なサイト改善へと繋げ、最終的にビジネス成果を最大化するためのヒントが見つかるはずです。

ウェブサイトの「ボトルネック」とは?【見つけにくさの課題】

ウェブサイトボトルネックの定義:成果を妨げる滞留・離脱ポイント

ウェブサイトボトルネックとは、Webサイトの訪問者が、目標とする行動(商品購入、資料請求、問い合わせなど)を完了するまでのプロセスにおいて、つまずいたり、サイトから離脱してしまったりする原因となっている箇所や要素のことです。

たとえ多くのユーザーをWebサイトに集客できたとしても、ボトルネックが存在すると、ユーザーは途中で挫折してしまい、最終的なコンバージョンに繋がりません。まるで、水がスムーズに流れるべき配管の途中に、詰まりや穴が開いているようなものです。

なぜアクセス解析だけではボトルネックが見えにくいのか?

GoogleAnalyticsなどの一般的なアクセス解析ツールは、Webサイト全体のトラフィック量や、各ページのPV数、直帰率、離脱率といった「定量的なデータ」を把握するのに非常に優れています。しかし、それらの数値だけでは、以下のような「なぜ?」を深く掘り下げることが難しいという課題があります。

「なぜ」そのページで直帰・離脱したのか?

「なぜ」特定のボタンがクリックされないのか?

「なぜ」ユーザーはフォームの途中で入力をやめてしまうのか?

ユーザーがどこで迷い、困っているのか?

これらの疑問に答えるためには、数値データだけでは見えない「ユーザーの具体的な行動」や「心理」を理解するための、より詳細な分析手法が必要になります。

顧客行動分析ツールで「隠れたボトルネック」を見抜く

アクセス解析の限界を補い、ウェブサイトのボトルネックを深く掘り下げるためには、ユーザーの行動を詳細に分析する専門の顧客行動分析ツールが非常に有効です。

主要な顧客行動分析ツールの種類と機能

1.ヒートマップツール:

機能:Webページ上でユーザーがどこをよく見ているか(熟読エリア)、どこまでスクロールしたか(アテンションヒートマップ)、どこをクリックしたか(クリックヒートマップ)を、色の濃淡で視覚的に表示します。

ボトルネック発見のヒント:ユーザーが重要なコンテンツを見ていない、CTAボタンがクリックされていない、途中でスクロールが止まっているといった問題を直感的に把握できます。

2.セッションリプレイ/行動録画ツール:

機能:サイト訪問者一人ひとりのマウスの動き、クリック、スクロール、キーボード入力といったWebサイト上での行動を動画のように記録・再生できます。

ボトルネック発見のヒント:ユーザーがどこで迷っているか、フォーム入力でつまずいている様子、想定外の挙動、エラー発生時の状況などを、ユーザーの視点でリアルに確認できます。

3.ファネル分析ツール:

機能:ユーザーがコンバージョンに至るまでの特定の経路(例:トップページ→商品一覧→商品詳細→カート→購入完了)を「ファネル(漏斗)」として設定し、各ステップでの離脱率を可視化します。

ボトルネック発見のヒント:コンバージョンまでのどの段階でユーザーが大量に離脱しているか、具体的な「詰まり」のポイントを定量的に把握できます。

4.クリックパス分析/ユーザーフロー分析ツール:

機能:ユーザーがWebサイト内でどのようなページ遷移をしているか、どのリンクをクリックしてどこへ進んだか、あるいはどこでサイト外へ離脱したかといった、ユーザーの行動経路を可視化します。

ボトルネック発見のヒント:ユーザーが想定通りの導線を辿っているか、迷子になっている箇所はないか、重要なページにたどり着けていないユーザーが多いなどの問題を特定できます。

これらの顧客行動分析ツールは、アクセス解析ツールと組み合わせることで、数値の「なぜ?」を深く掘り下げ、ウェブサイトのボトルネックをより正確に特定する上で非常に強力な武器となります。

顧客行動データから見抜く!ボトルネック発見の実践ステップ

顧客行動分析をツールで実践し、ウェブサイトボトルネックを見つけるための具体的なステップをご紹介します。

ステップ1:現状把握と仮説の設定

まず、GoogleAnalyticsのようなアクセス解析ツールでサイト全体のパフォーマンスを確認し、直帰率や離脱率が高いページ、コンバージョン率が低い経路など、大まかな課題の兆候を把握します。

その上で、「このページのこの部分でユーザーが迷っているのではないか」「このボタンが押されていないのは、デザインに問題があるのではないか」といった仮説を立てます。

ステップ2:顧客行動分析ツールで深掘りする

設定した仮説に基づいて、ヒートマップ、セッションリプレイ、ファネル分析、クリックパス分析といった顧客行動分析ツールを使い、より詳細にユーザーの行動を観察・分析します。

ヒートマップで確認:ユーザーがどこまでスクロールしているか、どこに注目しているか、クリックすべきでない場所をクリックしていないか。

セッションリプレイで確認:ユーザーが実際にどこでマウスを止めたか、迷ったか、エラーでつまずいたか。

ファネル分析で確認:コンバージョンまでの各ステップで、どこが最も離脱率が高い「穴」になっているか。

ユーザーフロー分析で確認:ユーザーが想定外のページに移動していないか、目標ページにたどり着くまでの経路が複雑すぎないか。

ステップ3:ボトルネックの特定と原因の深掘り

深掘りした分析結果から、ユーザーがサイト内で「つまずいている」「離脱している」具体的なポイント、すなわちボトルネックを特定します。その上で、「なぜそこでつまずいているのか?」という原因をさらに深掘りします。

ステップ4:具体的なサイト改善アクションの立案

特定したボトルネックと原因に基づき、具体的なサイト改善の具体例を検討し、施策を立案します。例えば、「CTAボタンが目立たない」のであれば「ボタンの色やサイズを変更する」、「フォームの項目が多すぎる」のであれば「項目を減らす、入力補助機能を導入する」といった具体的なアクションです。

ステップ5:改善施策の実行と効果測定(PDCA)

立案した改善策をWebサイトに適用し、その効果を再度アクセス解析ツールや顧客行動分析ツールで測定します。改善が見られたらその施策を定着させ、もし改善が見られない場合は、新たな仮説を立てて分析・改善を繰り返すPDCAサイクルを回していきます。

顧客行動分析で発見できるウェブサイトのボトルネック具体例

サイト改善において、具体例を挙げながら、ウェブサイトのボトルネックがどのように発見されるかを見ていきましょう。

具体例1:ヒートマップで「読まれない」部分を発見し、コンテンツを改善

ボトルネック:記事の重要な情報がページの後半にあるのに、ヒートマップを見ると多くのユーザーがその部分までスクロールしていない(スクロール到達率が低い)。

改善アクション例:重要な情報をファーストビューに近づける、目次を設ける、見出しや画像の配置でスクロールを促す工夫をする。

具体例2:ファネル分析で「離脱の穴」を特定し、導線を改善

ボトルネック:会員登録プロセスをファネル分析したところ、「個人情報入力ページ」から「確認ページ」への遷移率が極端に低い。

改善アクション例:入力フォームの項目数を減らす、入力補助機能(住所自動入力など)を導入する、エラー表示を分かりやすくする、入力フォーム上に不安を解消する文言(セキュリティについてなど)を記載する。

具体例3:セッションリプレイで「操作ミス」を発見し、UIを改善

ボトルネック:セッションリプレイを見たところ、ユーザーが特定のボタンを何度もクリックしようとしているのに反応がなく、最終的に離脱している。

改善アクション例:ボタンが実際に機能しているか確認する、クリック可能な範囲を広げる、ボタンのデザインを分かりやすくする(押せることを明示する)。

具体例4:ユーザーフロー分析で「迷子」を発見し、ナビゲーションを改善

ボトルネック:ユーザーフローを見ると、多くのユーザーが特定の製品ページから目的の比較ページにたどり着けず、サイト内をさまよっている、あるいはサイト外へ離脱している。

改善アクション例:関連性の高い内部リンクを設置する、パンくずリストを分かりやすくする、グローバルナビゲーションの階層や名称を見直す。

まとめ:顧客行動データ分析でウェブサイトのボトルネックを解消し成果を最大化

今回は、Webサイトの「隠れたボトルネック」を発見するための、顧客行動分析ツールの活用法と具体的な手法を解説しました。

GoogleAnalyticsのようなアクセス解析データだけでは見えにくいユーザーの「つまずき」や「迷い」を、ヒートマップ、セッションリプレイ、ファネル分析、ユーザーフロー分析といったツールで深掘りすることで、具体的なウェブサイトボトルネックを特定し、効果的なサイト改善アクションへと繋げることが可能です。

データに基づいた顧客行動の理解は、単なるアクセス数向上だけでなく、コンバージョン率の改善、ユーザー満足度の向上、そしてLTV(顧客生涯価値)の最大化に不可欠です。

Webサイトのボトルネックを見つけてサイト改善を進めるには、ユーザー行動の深い理解が不可欠です。ログリーが提供する『AudienceAnalytics』は、Webサイト訪問者の行動データを詳細に分析し、アクセス解析だけでは見えない顧客インサイトを発見するための顧客行動分析ツールです。特にユーザーフロー分析機能などを通じて、ボトルネックの特定を支援します。さらに、発見した課題に基づいて具体的な施策を実行する際には、『Engage』のようなツールが役立ちます。Engageは、パーソナライズされたポップアップ表示やフォーム改善などを通じて、サイト内でのユーザー行動を最適化し、ボトルネック解消を支援します。顧客行動を深く理解し、データに基づいたサイト改善で成果を最大化したい方は、ぜひこれらのソリューションの詳細をご覧ください。

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